AIで淘汰される職業の最有力候補
第46回:IT後進国から脱却できるのか(6)
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2023/08/30
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
AIが拡大普及することで多くの人の職が奪われると危機感を煽る論調があるが、筆者はこの説に同意しない。
これまでも、機械化やロボット技術、センシング技術などの進展で効率化が進み、人の労働負荷は大幅に軽減された。同時に低コスト化が図られ、サービス品質も向上し、産業拡大につながっている。それでも労働力が余剰になるどころか、労働力不足の状況にあり、外国人労働者に頼る方向の政策が検討されているのが現実である。
労働力の余剰や過不足は、結局のところ経済原理に左右され、失業率という指標で示されるものと考えられる。資本主義自由社会において科学技術の発展は、確かにそれまでの人間の役割を減少させるかもしれないが、それ以上に新たな労働分野を生み出すのである。
つまりAIが拡大普及し、便利になり、価値観も変容することで、イノベーションが生み出され、市場としてはむしろ拡大の原動力になり、雇用が生み出されると考えるべきだろう。ただし注意すべきは、かつてのベストセラー『チーズはどこへ消えた』のメッセージに込められたように、環境変化へ適合できず、井の中の蛙になってしまうと、淘汰される側になってしまうことだ。
では、その危険性はどこにあるのだろう。筆者の個人的感覚で申し訳ないが、その最有力はメディア業界、情報を取り扱う業界ではないだろうかと危惧し、警鐘をならすべきと考えている。
もちろん、私ごときが指摘するリスクなどはすでに認識されており、対処しているかもしれない。それならそれで単なる老婆心となるだけなので、社会にとってはむしろよい方向である。筆者の懸念など笑い飛ばしていただいてよい。
再考・日本の危機管理-いま何が課題かの他の記事
おすすめ記事
情報セキュリティーは個人のリスク目線では通用しない
学生時代からパソコンを使いこなしてきた人が新入社員に多くいる昨今ですが、当然、個人と会社ではセキュリティーの重心が違います。また、人事異動で新たに着任した社員も、業務が変われば情報資産との関わり方が変わり、以前と同じ意識でのぞめばよいとは限りません。新年度にあたり、情報セキュリティーのルールは特に徹底したいところです。
2024/05/10
サイバーインシデント対応の基本知識と準備
本勉強会では、一般的な情報セキュリティインシデントとサイバーインシデントの違いや、その初動対応について事前に準備すべきことと合わせて、自社で手軽に訓練・演習を実施するためのポイントを解説します。2024年5月8日開催。
2024/05/09
炎上の原因はSNS上の振る舞いのみにあらず
新年度から仲間に加わった新入社員は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、友人とSNS で交流するのがあたり前の世代です。が、学生時代と違い、社会人になれば取り巻く環境が変わり、自身の立場も変わる。うかつな投稿が「炎上」につながるケースは少なくありません。新人研修のテーマにSNSリスクを組み込むなどして教育を徹底したいところです。
2024/05/08
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月7日配信アーカイブ】
【5月7日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:令和5年度企業の事業継続及び防災に関する実態調査
2024/05/07
家庭の防災は企業BCPとつながっている
昨今は社員の自主防災力向上に努めている企業も多いでしょう。この時期は災害時のルール周知に余念がないと思いますが、ポイントとして提案したいのが、家庭の防災と企業BCP のつながりをしっかり伝えること。「家庭と会社は別」と考えがちですが、家庭の防災力を上げないと企業の事業継続力も上がりません。メッセージを出すよいタイミングです。
2024/05/02
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方